日々、散文。好きなもの三昧。ナルトとか野球(巨/人・ワク)とかサッカー(俊/輔)とか(本誌ネタバレあり。ご注意ください)
Posted by りい。 - 2008.10.09,Thu
昨日拍手コメくださったお方が、お題サイトさま(http://0redemption0.web.fc2.com/)をやっているとのことで!ちょっとお題の使い方間違ってると思いますが、使わせて頂きました(本日もコメありがとうございました。後で返信させて頂きますね)ってことで、島崎慎吾編です。久々島準でドキドキしてます。どんな話しになるかなぁ~(いつも行き当たりばったり人生/笑)内容的には何も考えずに、お題に向かって書き綴ってみますです。
『信じないだろうけど』
いや、マジで信じてもらえないだろうけどさ。なんつーの、俺って結構遊んでると思われてるみたいだけど、さ。こう見えて一途だったりするんだ。そりゃ、桐青の花形。野球部のレギュラー。しかも一年からがっちり固定なポジションだから、それなりにもてるし。女の子は大好きだし。それでも、今は野球なんて思ってるあたり、俺も相当な野球好きだよなって感じなんだけど、さ。あ、やっぱ信じてもらえない?つか、お前俺の話しちゃんと聞いてんのか、と言った時点でやっと、相打ちが打たれた。
「聞いてますよ、ちゃんと」
慎吾さん一応先輩ですし、と相変わらず和己以外には可愛いことを言わないエースが淡々と靴紐を結びながら、俺をみるでもなく適当に、はいはい、とただ頷いてる。
「だからさ、俺の言いたいことわかる?」
「はいはい。だから、慎吾さんってもてるんっすねって話しでしょ?」
「お前なぁ」
わかってない。つーか、俺に興味ねぇだろ。あからさまに。
「まぁ、別にいいんだけどさ」
「いいんなら、話さないでくださいよ。振られた俺のことも考えてください」
「ん、んーそうだなぁ」
そうだよなぁ。お前、困っちまうのわかってんだけど、さ。
どうしても、言いたくなったというか。
独占したくなったというか。
困ったもんだ。
でも俺のが絶対困ってるって、わかってんのか準太。
「ってことで、そろそろいいっすか?」
話しが終わったとばかりに立ち上がるから、ちょい待てと先輩特権を使う。本人が言ったとおり、先輩後輩の立場をちゃんとわきまえてるから、準太は止まる。靴紐は結び終えた。これから、練習だ。俺が掃除当番で準太が日直だっただけ、の偶然みたいな二人きり状態。これを逃す手なんて、ねぇだろ?
「ま、信じないだろうけど」
「なんすか?」
俺の前で立ち止まったままの準太は、ただこれから発せられるだろう俺からの用件を待つみたいに、ほんとにじっとこっちを見てる。真っ黒な瞳が俺だけを映してるって、なんか優越感だよな。
それが、どんなになるのか楽しみだ、なんて俺もイカレテルかもしれない。
だって、きっと意識する。
今までどうでも良かったみたいな、俺が突然みたくお前の真ん中に来るだろ。無碍にすることはないと思うんだよな、今までの経験上。準太って人間をそれなりにわかっているからこそ、ズルイ手を俺は使うんだ。
だから、よく聞け、準太。
いいか。
よく、聞けよ。
「俺、お前のこと好きなんだよな」
ま、信じてくんねぇだろうけど。
マジだから、と一言添えてズルイ顔したまま、部室を出て行く俺の後ろ。気配は動かない。
『まるで抜け殻のようだった』
あの時とまるで、同じだ。
俺がズルイ告白をした時、と。
雨の中。
まるで、空っぽのようになったまま突っ立ってた。
球場を後に出来たのは、試合が終わってから相当経ってからのこと、だった。それ程までのことだった。まさかの初戦敗退に、泣き崩れたのなんて全員だ。次の試合があるからこそ、率先した動いた和己や俺ですら、球場を一歩出た途端、崩れ落ちた。まだ、雨は降っていた。動けなくなった後輩たちをなんとかバスに押し込んで、学校に戻れたのはそれなりの時刻になってから、だった。軽いミーティングをしてから、それぞれがまだ重たい体を引き摺って部室へと向かう中、ただひとりマウンドで立ち尽くしていたのは、準太、だ。
投手は微妙な生き物って本当だよな。
ジコチューっつか、まぁそんなやつじゃなきゃあのマウンドに立ってらんないと思うけど、さ。いいか、準太。今日の敗戦は何もお前ひとりのもんじゃない。自分ひとりで抱え込まなくていいんだ。皆、精一杯やった。出し切った結果、俺たちに運がなかったってだけ、だ。負けたということが、これからの財産にもなる。忘れるな。
遠く。
まだ、抜け殻のような準太に声を掛けることなく、背を向ける。
今の準太に声を掛けられるのなんて、この世に二人だけ、だ。
和己と、利央。
バッテリー。
でも、利央には多分無理だろう。まだ、あんなになった準太を支えきれる勇気がない。ま、やろうと思えば出来るんだろうけどな。つか、利央こそがやらなけりゃいけないことなんだろうけど、な。
きっと、和己が利央の背を押すだろう。
だから、大丈夫、だ。
あいつはそんな弱いやつじゃない。
でも、知ってた。
だから、嫌味なまでに晴れ渡った空の下。
俺の名を呼んで、袖を引いた準太を抱き締めた。
俺、どうすればいいんですか。
どこまでも野球少年の準太は、未だに自分を責めて動けなくなってる。
だから、お前だけの所為じゃないんだって、とかいう類の言葉を掛けるのなんて、至極簡単なことだったけど。俺はしなかった。
ただ、淡々と己の弱さを口にする準太の隣りに居て、ただただ聞くに徹していた。
自分のことは、自分にしかわからない。
自分で考えて、思って、辿り着いた先にこれからが、あるはず、なんだ。
だから、準太にも自分で乗り越えて欲しかった、といえばちょっと格好良いかもしんねぇけど。
準太の弱いとこを見るのも、嬉しかったんだよな、俺。
だから、淡々と話す準太の肩を何気に抱いて、潤み始めた瞳は見ないままで沈む夕陽だけを見ていると、自然と準太から体を預けてくる。
そうして、言うんだ。
俺も慎吾さんのこと、好きです。
馬鹿だな、お前。
でも、『残念なことに別れました』
本当に好きだから、なんだけどさ。
準太が俺に寄り掛かったままじゃ駄目だと思ったから、だ。
これでもマジで結構本気で好きだったんだけど、さ。
俺ってば、こうみえてもいい先輩だし。どうしても、恋愛よりも野球を優先してしまうんだ。困ったもんだよな。山ちゃんに慎吾って変なとこに器用で不器用だよね、と意味不明なことを言われたのを思い出して、あ~そうかもなぁ、と巡り巡った季節にひとり思った。
春になれば、俺はここから居なくなる。
それが、現実ってやつだ。
珍しく静かに降る、雪がどうしても、違うものに見えてくる。
あの時も、音なんてなかった。
『記憶に残るのは、雨と』
お前の背番号。
+--------------------------------------------------------------------------+
取り合えず、ここまで最後まで書けるかなぁ…(オイ)
書けるときにこの場にてこそこそ更新します。
紹介されたときに一目惚れ
never forget , but
合格しても終わりにはしないさ、というか始まってすらいないだろう?
隣にいるのは君じゃない誰か
いや、マジで信じてもらえないだろうけどさ。なんつーの、俺って結構遊んでると思われてるみたいだけど、さ。こう見えて一途だったりするんだ。そりゃ、桐青の花形。野球部のレギュラー。しかも一年からがっちり固定なポジションだから、それなりにもてるし。女の子は大好きだし。それでも、今は野球なんて思ってるあたり、俺も相当な野球好きだよなって感じなんだけど、さ。あ、やっぱ信じてもらえない?つか、お前俺の話しちゃんと聞いてんのか、と言った時点でやっと、相打ちが打たれた。
「聞いてますよ、ちゃんと」
慎吾さん一応先輩ですし、と相変わらず和己以外には可愛いことを言わないエースが淡々と靴紐を結びながら、俺をみるでもなく適当に、はいはい、とただ頷いてる。
「だからさ、俺の言いたいことわかる?」
「はいはい。だから、慎吾さんってもてるんっすねって話しでしょ?」
「お前なぁ」
わかってない。つーか、俺に興味ねぇだろ。あからさまに。
「まぁ、別にいいんだけどさ」
「いいんなら、話さないでくださいよ。振られた俺のことも考えてください」
「ん、んーそうだなぁ」
そうだよなぁ。お前、困っちまうのわかってんだけど、さ。
どうしても、言いたくなったというか。
独占したくなったというか。
困ったもんだ。
でも俺のが絶対困ってるって、わかってんのか準太。
「ってことで、そろそろいいっすか?」
話しが終わったとばかりに立ち上がるから、ちょい待てと先輩特権を使う。本人が言ったとおり、先輩後輩の立場をちゃんとわきまえてるから、準太は止まる。靴紐は結び終えた。これから、練習だ。俺が掃除当番で準太が日直だっただけ、の偶然みたいな二人きり状態。これを逃す手なんて、ねぇだろ?
「ま、信じないだろうけど」
「なんすか?」
俺の前で立ち止まったままの準太は、ただこれから発せられるだろう俺からの用件を待つみたいに、ほんとにじっとこっちを見てる。真っ黒な瞳が俺だけを映してるって、なんか優越感だよな。
それが、どんなになるのか楽しみだ、なんて俺もイカレテルかもしれない。
だって、きっと意識する。
今までどうでも良かったみたいな、俺が突然みたくお前の真ん中に来るだろ。無碍にすることはないと思うんだよな、今までの経験上。準太って人間をそれなりにわかっているからこそ、ズルイ手を俺は使うんだ。
だから、よく聞け、準太。
いいか。
よく、聞けよ。
「俺、お前のこと好きなんだよな」
ま、信じてくんねぇだろうけど。
マジだから、と一言添えてズルイ顔したまま、部室を出て行く俺の後ろ。気配は動かない。
『まるで抜け殻のようだった』
あの時とまるで、同じだ。
俺がズルイ告白をした時、と。
雨の中。
まるで、空っぽのようになったまま突っ立ってた。
球場を後に出来たのは、試合が終わってから相当経ってからのこと、だった。それ程までのことだった。まさかの初戦敗退に、泣き崩れたのなんて全員だ。次の試合があるからこそ、率先した動いた和己や俺ですら、球場を一歩出た途端、崩れ落ちた。まだ、雨は降っていた。動けなくなった後輩たちをなんとかバスに押し込んで、学校に戻れたのはそれなりの時刻になってから、だった。軽いミーティングをしてから、それぞれがまだ重たい体を引き摺って部室へと向かう中、ただひとりマウンドで立ち尽くしていたのは、準太、だ。
投手は微妙な生き物って本当だよな。
ジコチューっつか、まぁそんなやつじゃなきゃあのマウンドに立ってらんないと思うけど、さ。いいか、準太。今日の敗戦は何もお前ひとりのもんじゃない。自分ひとりで抱え込まなくていいんだ。皆、精一杯やった。出し切った結果、俺たちに運がなかったってだけ、だ。負けたということが、これからの財産にもなる。忘れるな。
遠く。
まだ、抜け殻のような準太に声を掛けることなく、背を向ける。
今の準太に声を掛けられるのなんて、この世に二人だけ、だ。
和己と、利央。
バッテリー。
でも、利央には多分無理だろう。まだ、あんなになった準太を支えきれる勇気がない。ま、やろうと思えば出来るんだろうけどな。つか、利央こそがやらなけりゃいけないことなんだろうけど、な。
きっと、和己が利央の背を押すだろう。
だから、大丈夫、だ。
あいつはそんな弱いやつじゃない。
でも、知ってた。
だから、嫌味なまでに晴れ渡った空の下。
俺の名を呼んで、袖を引いた準太を抱き締めた。
俺、どうすればいいんですか。
どこまでも野球少年の準太は、未だに自分を責めて動けなくなってる。
だから、お前だけの所為じゃないんだって、とかいう類の言葉を掛けるのなんて、至極簡単なことだったけど。俺はしなかった。
ただ、淡々と己の弱さを口にする準太の隣りに居て、ただただ聞くに徹していた。
自分のことは、自分にしかわからない。
自分で考えて、思って、辿り着いた先にこれからが、あるはず、なんだ。
だから、準太にも自分で乗り越えて欲しかった、といえばちょっと格好良いかもしんねぇけど。
準太の弱いとこを見るのも、嬉しかったんだよな、俺。
だから、淡々と話す準太の肩を何気に抱いて、潤み始めた瞳は見ないままで沈む夕陽だけを見ていると、自然と準太から体を預けてくる。
そうして、言うんだ。
俺も慎吾さんのこと、好きです。
馬鹿だな、お前。
でも、『残念なことに別れました』
本当に好きだから、なんだけどさ。
準太が俺に寄り掛かったままじゃ駄目だと思ったから、だ。
これでもマジで結構本気で好きだったんだけど、さ。
俺ってば、こうみえてもいい先輩だし。どうしても、恋愛よりも野球を優先してしまうんだ。困ったもんだよな。山ちゃんに慎吾って変なとこに器用で不器用だよね、と意味不明なことを言われたのを思い出して、あ~そうかもなぁ、と巡り巡った季節にひとり思った。
春になれば、俺はここから居なくなる。
それが、現実ってやつだ。
珍しく静かに降る、雪がどうしても、違うものに見えてくる。
あの時も、音なんてなかった。
『記憶に残るのは、雨と』
お前の背番号。
+--------------------------------------------------------------------------+
取り合えず、ここまで最後まで書けるかなぁ…(オイ)
書けるときにこの場にてこそこそ更新します。
紹介されたときに一目惚れ
never forget , but
合格しても終わりにはしないさ、というか始まってすらいないだろう?
隣にいるのは君じゃない誰か
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