日々、散文。好きなもの三昧。ナルトとか野球(巨/人・ワク)とかサッカー(俊/輔)とか(本誌ネタバレあり。ご注意ください)
Posted by りい。 - 2007.06.22,Fri
「慎吾さんって、どんな女(ひと)が好みなんすかぁ?」
※うちの基本形島準。
慎吾2年準太1年。3年生が引退したあと、くらい?かな?
※うちの基本形島準。
慎吾2年準太1年。3年生が引退したあと、くらい?かな?
は?
思わず、見ていた雑誌が落ちそうになって慌てて、引き寄せた。
つか、なに突然?
今は、部活が終わった時間で。いつもなら和己が閉める鍵が何故か俺んとこに来てしまっただけの、偶然で出来た空き時間みたいなもんで。
俺だって、早く帰りたかったんだけどなぁ。べつになぁんにもねぇけどさ。ま、いいけどさ。部室は嫌いじゃない。と、部誌すら書く時間なくそそくさと帰ってしまった和己の代わりに、書いて。エラいなぁ慎吾ってば、なんてまさやんたちにからかわれながらも、ある程度の時間を潰して、一通り誰も居なくなったと思ったけど、そーいえばまだだ、と気付いて野球雑誌片手に、傍らにあるベンチに座り込んだのはほんの数分前のこと、だ。
まだだ、と思ったのは、この秋からエースに昇格した、やつだ。
甲子園ではベンチにすら入れなかったってのに、気付けばやつはエースの座を勝ち取っていた。和己の秘蔵っ子みたいな感じで入学する前から、名前は耳にしてたし、会話の隙間からなんとなくな想像も出来てた。でも、あんなんだとは思ってなかった。
ま、そんな思い出話はどーでもいい。今は、沸いて振ったような質問、だ。
なんだつーの?今の今までそんな話しなんてしたことなかったしさ。その手の話しになると、入ってくることすらなかったじゃん、お前?あ、もしかして、時間潰しつーか、この空気を嫌がったって感じか?そりゃそーだよな。俺は雑誌読んでるだけだし、お前は着替えてるだけだし。紙をめくる音と、衣擦れみたいな音だけだったもんなぁ。いっつもはウザいくらいに騒がしいってのに、さ。ああ、そう。そーなんだ。この奇妙な沈黙が嫌だったんだな、お前。そーなんだ。へぇ。
「準太は?」
「はい?」
「準太はどんな子が好みなの?」
つか、なんすか。聞いたのはこっちだってのに。質問に質問で返さないでくださいよ。
という、文句が脳内に浮かんだけど、何故か口にすることが出来なかった。いつもみたく、言えればよかったのにと後悔してももう遅い。微妙にタイミングがずれてしまったというか、あからさまに呆然としてしまったので言い逃してしまった。
だって。
ちょっと、実は。結構、前から。
気になってたんです。
慎吾さんがもてるって話しはよく聞いてた。あの恋愛に疎そうな(ごめんなさい)和さんからも不意に出て来ることが多くて、ああそーなんだ、そんな感じだよな、って思ってたらここ数日で何度か、告白、という場面に出くわした。飄々としているようで、どこかで優しい。冷静なようでいて、結構熱い。甲子園。スタメンではなかったけど、代打で打ったあのヒットは強く印象に残ってる。だから、なのかもしれない。慎吾さんのこと知った女の子たちがグランドにも溢れた。それなりに強豪として名の高い桐青だから、前々からグランドを囲む女の子たちは結構いたけど、今では甲子園出場という看板も手伝って、去年より全然多くて。その中でも、黄色い声援は慎吾さんへと向けられてた。何気に手なんて振っちゃうもんだから、ますますスゴイことになって、なんとなく面白くないつーか、うるさいつーか。応援してくれていること自体はありがたいことだと思うけど、こんなんじゃマジで集中できなくて困る。
見掛ける。
何度も。
でも、当の本人は全くその気なしなのか、誰とも付き合おうとしない。いつも平然として、何事もなかったかのように部室にやってきて、野球して、声援に答えて、帰路に着く。
べつに、どーでもいいし。俺には、関係のないことだし。
そう、全然関係ないことなんだけど、それでも気になってた。それは認める。仕方ないから、認める。
だって、さ。もてるのに。
結構可愛い子も居たと思う。綺麗な人だって、居た。
どんな子でも断ってる理由ってなに?野球に打ち込みたいから?それもあり、かもと思ったけど。
慎吾さんって、結構理想高いのかな。
いや、もしかして好きな人が、居るとか?
「準太?」
突然、押し黙ってしまった後輩に、どーしたぁ?と適当な言葉で近付く。
ああ、やっぱ。
近くで見るとすごく睫が長い。真っ黒な髪に真っ黒な瞳。
可愛いんだよな、こいつ。
俺の呼びかけにどこかに行っていた思考が戻ってきたらしい。俺が想像してたよりも近くに居たことに驚いたのか、真っ黒な大きな瞳がさらに大きくなって、マジマジとみつめてから視線を逸らした。
「準太ぁ?聞いてるかぁ?」
「聞いてますよ」
「好みってどんなん?」
「つか、俺が聞いたんすけど」
いつの間にかすごく近くに居た慎吾さんに素直に驚いてしまって、思わずみつめてしまった自分が恥ずかしくなって、視線を逸らした。着替え途中だったことを思い出して、会話が続く中ロッカーの中からシャツを取り出して、羽織ってネクタイはどーでもいいや、と鞄に突っ込んだ。
俺の質問になかなか答えてくれないし。
つか、そーだ。俺には全然関係ないことだし、気になってることは認めたけど、でもだからって好みを聞いてどーすんだって。そんなん聞いたって空しくなるだけ、じゃん。
「んー、可愛い子が好き」
へぇ、可愛い子が好きなんだ。
そりゃ俺は可愛くないですよ。
和さんと通して、結構近くに居たと思う。近くに居たけど、俺はいつもいつもどうでもいいような態度ばっかだったし、素っ気無かったと思う。間近で視線を合わせることが出来なくなったのはいつの頃だっただろうか。不意に、飛び込んできたその姿がとても綺麗だ、と感じとったのはいつだっただろうか。意識した途端、近くに居るってのになんとなく避けてしまうようになって、なにを話していいのかすらわからなくなって。
へぇ、可愛い子が好き、なんだ。
慎吾さんが、可愛いと思う人って、誰ですか?
「で、準太は?」
「・・・どーでもいいじゃないっすか」
「えー、俺が言ったんだからお前も言えよ」
「・・・俺は、綺麗な人が好き、です」
着替えの手を止めることなく、それでもどこか篭った声が耳を打った。
ふーん、綺麗な人、ね。
綺麗って、なんだよ。
つか、和己って綺麗か?ああ、恋は盲目ってやつ?
一目見れば、準太が誰に好意を抱いているのかなんてわかった。メオトと最初にからかったのは、俺だ。からかったのに、準太は嬉しそうで。ちぇ、と思った。そりゃ、確かに和己はいいやつだし、いい男だと思う。欲しい言葉とか、ストンと言ってくれちゃったりするからな、あれは。無意識なくせにさぁ。でも、綺麗ってねぇんじゃね?和己だよ、和己。お前のが綺麗だって。可愛くて可愛くて仕方ねぇつーの。
つか、俺何考えてんだぁ。まったく。
そりゃ、気付かない振りしてるけどさ。
俺、好きなのに。
こんなに近くに居るのに、な。
+------------------------------------------------------------+
擦れ違いLOVE(笑)両方通行の片思い。うちの基本形な島準。
思考が慎吾と準太でコロコロ変わってるんで読みにくい、ですねぇ。
ごめんなさい。もちっとうまく表現出来たらいいのに(泣)
思わず、見ていた雑誌が落ちそうになって慌てて、引き寄せた。
つか、なに突然?
今は、部活が終わった時間で。いつもなら和己が閉める鍵が何故か俺んとこに来てしまっただけの、偶然で出来た空き時間みたいなもんで。
俺だって、早く帰りたかったんだけどなぁ。べつになぁんにもねぇけどさ。ま、いいけどさ。部室は嫌いじゃない。と、部誌すら書く時間なくそそくさと帰ってしまった和己の代わりに、書いて。エラいなぁ慎吾ってば、なんてまさやんたちにからかわれながらも、ある程度の時間を潰して、一通り誰も居なくなったと思ったけど、そーいえばまだだ、と気付いて野球雑誌片手に、傍らにあるベンチに座り込んだのはほんの数分前のこと、だ。
まだだ、と思ったのは、この秋からエースに昇格した、やつだ。
甲子園ではベンチにすら入れなかったってのに、気付けばやつはエースの座を勝ち取っていた。和己の秘蔵っ子みたいな感じで入学する前から、名前は耳にしてたし、会話の隙間からなんとなくな想像も出来てた。でも、あんなんだとは思ってなかった。
ま、そんな思い出話はどーでもいい。今は、沸いて振ったような質問、だ。
なんだつーの?今の今までそんな話しなんてしたことなかったしさ。その手の話しになると、入ってくることすらなかったじゃん、お前?あ、もしかして、時間潰しつーか、この空気を嫌がったって感じか?そりゃそーだよな。俺は雑誌読んでるだけだし、お前は着替えてるだけだし。紙をめくる音と、衣擦れみたいな音だけだったもんなぁ。いっつもはウザいくらいに騒がしいってのに、さ。ああ、そう。そーなんだ。この奇妙な沈黙が嫌だったんだな、お前。そーなんだ。へぇ。
「準太は?」
「はい?」
「準太はどんな子が好みなの?」
つか、なんすか。聞いたのはこっちだってのに。質問に質問で返さないでくださいよ。
という、文句が脳内に浮かんだけど、何故か口にすることが出来なかった。いつもみたく、言えればよかったのにと後悔してももう遅い。微妙にタイミングがずれてしまったというか、あからさまに呆然としてしまったので言い逃してしまった。
だって。
ちょっと、実は。結構、前から。
気になってたんです。
慎吾さんがもてるって話しはよく聞いてた。あの恋愛に疎そうな(ごめんなさい)和さんからも不意に出て来ることが多くて、ああそーなんだ、そんな感じだよな、って思ってたらここ数日で何度か、告白、という場面に出くわした。飄々としているようで、どこかで優しい。冷静なようでいて、結構熱い。甲子園。スタメンではなかったけど、代打で打ったあのヒットは強く印象に残ってる。だから、なのかもしれない。慎吾さんのこと知った女の子たちがグランドにも溢れた。それなりに強豪として名の高い桐青だから、前々からグランドを囲む女の子たちは結構いたけど、今では甲子園出場という看板も手伝って、去年より全然多くて。その中でも、黄色い声援は慎吾さんへと向けられてた。何気に手なんて振っちゃうもんだから、ますますスゴイことになって、なんとなく面白くないつーか、うるさいつーか。応援してくれていること自体はありがたいことだと思うけど、こんなんじゃマジで集中できなくて困る。
見掛ける。
何度も。
でも、当の本人は全くその気なしなのか、誰とも付き合おうとしない。いつも平然として、何事もなかったかのように部室にやってきて、野球して、声援に答えて、帰路に着く。
べつに、どーでもいいし。俺には、関係のないことだし。
そう、全然関係ないことなんだけど、それでも気になってた。それは認める。仕方ないから、認める。
だって、さ。もてるのに。
結構可愛い子も居たと思う。綺麗な人だって、居た。
どんな子でも断ってる理由ってなに?野球に打ち込みたいから?それもあり、かもと思ったけど。
慎吾さんって、結構理想高いのかな。
いや、もしかして好きな人が、居るとか?
「準太?」
突然、押し黙ってしまった後輩に、どーしたぁ?と適当な言葉で近付く。
ああ、やっぱ。
近くで見るとすごく睫が長い。真っ黒な髪に真っ黒な瞳。
可愛いんだよな、こいつ。
俺の呼びかけにどこかに行っていた思考が戻ってきたらしい。俺が想像してたよりも近くに居たことに驚いたのか、真っ黒な大きな瞳がさらに大きくなって、マジマジとみつめてから視線を逸らした。
「準太ぁ?聞いてるかぁ?」
「聞いてますよ」
「好みってどんなん?」
「つか、俺が聞いたんすけど」
いつの間にかすごく近くに居た慎吾さんに素直に驚いてしまって、思わずみつめてしまった自分が恥ずかしくなって、視線を逸らした。着替え途中だったことを思い出して、会話が続く中ロッカーの中からシャツを取り出して、羽織ってネクタイはどーでもいいや、と鞄に突っ込んだ。
俺の質問になかなか答えてくれないし。
つか、そーだ。俺には全然関係ないことだし、気になってることは認めたけど、でもだからって好みを聞いてどーすんだって。そんなん聞いたって空しくなるだけ、じゃん。
「んー、可愛い子が好き」
へぇ、可愛い子が好きなんだ。
そりゃ俺は可愛くないですよ。
和さんと通して、結構近くに居たと思う。近くに居たけど、俺はいつもいつもどうでもいいような態度ばっかだったし、素っ気無かったと思う。間近で視線を合わせることが出来なくなったのはいつの頃だっただろうか。不意に、飛び込んできたその姿がとても綺麗だ、と感じとったのはいつだっただろうか。意識した途端、近くに居るってのになんとなく避けてしまうようになって、なにを話していいのかすらわからなくなって。
へぇ、可愛い子が好き、なんだ。
慎吾さんが、可愛いと思う人って、誰ですか?
「で、準太は?」
「・・・どーでもいいじゃないっすか」
「えー、俺が言ったんだからお前も言えよ」
「・・・俺は、綺麗な人が好き、です」
着替えの手を止めることなく、それでもどこか篭った声が耳を打った。
ふーん、綺麗な人、ね。
綺麗って、なんだよ。
つか、和己って綺麗か?ああ、恋は盲目ってやつ?
一目見れば、準太が誰に好意を抱いているのかなんてわかった。メオトと最初にからかったのは、俺だ。からかったのに、準太は嬉しそうで。ちぇ、と思った。そりゃ、確かに和己はいいやつだし、いい男だと思う。欲しい言葉とか、ストンと言ってくれちゃったりするからな、あれは。無意識なくせにさぁ。でも、綺麗ってねぇんじゃね?和己だよ、和己。お前のが綺麗だって。可愛くて可愛くて仕方ねぇつーの。
つか、俺何考えてんだぁ。まったく。
そりゃ、気付かない振りしてるけどさ。
俺、好きなのに。
こんなに近くに居るのに、な。
+------------------------------------------------------------+
擦れ違いLOVE(笑)両方通行の片思い。うちの基本形な島準。
思考が慎吾と準太でコロコロ変わってるんで読みにくい、ですねぇ。
ごめんなさい。もちっとうまく表現出来たらいいのに(泣)
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