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日々、散文。好きなもの三昧。ナルトとか野球(巨/人・ワク)とかサッカー(俊/輔)とか(本誌ネタバレあり。ご注意ください)
Posted by - 2025.10.06,Mon
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Posted by りい。 - 2008.03.21,Fri
こっちは続けようとして失敗したらしき、短文(泣)

「銀ちゃん、これ持っていくがいいアル」


何時の間に、と思う程密やかに後ろに立っていたのは、神楽だった。






天気がいい。綺麗な青の晴れ日。
なんとなく、いつもならんなこと思わないのに、なにか勿体無いような気になって、手にあったジャンプをテーブルの上に置き、立ち上がった。
意識せずに足が玄関へと向かう。ブーツを履いた時点で、声が掛かった。
てっきり遊びに行ったとばかり思っていた、赤い服を身に纏った、少女。


「銀ちゃん、これ持っていくがいいアル」

「へ?」


何時の間に、と思う程密やかに後ろに立っていた。
手のあるものは、見覚えのあるもの。
捨てようと何度も思ってたくせに、つい捨てることが出来ず、ここまで持ってきてしまったもの。
刀、だ。
俺の。あの頃の。



「え~と、神楽ちゃん。これ何処で?」
「血の匂いが染み付いてる。私、こーいうのには敏感よ」
「持っていけってねぇ・・なんで?」
「匂う、から」
「捨てろっての?」
「誰がんなこと言ってるか。銀ちゃんは今日、これを持って出てくのがよろし。・・・望んでる」
「神楽?」
「だから、敏感なの。なんでか知らないけど、私、匂いに敏感で身近な人のだとわかっちゃって・・」


なんとなく。
なんとなくだけど、繋がってしまった。

「・・ああ、そーいうこと」

「だから、銀ちゃんはこれ持っていかないとダメ」

「お前は?行かないの?」

「それは望んでないから」

「あの子が?」

「そう。そーごが」

「総悟、ね」


納得したような言葉を発しながらもいつまでたっても受け取らない俺の手に、神楽は重いそれを握らせる。


「バカ、って言っといて」




久し振りの感触が、腰に掌にある、不安。
綺麗な青の、元。
桜が散っている。
果敢なく散る、花々。



「望んでいる、か・・」



+-------------------------------------------------------------+
数ヶ月放置なままの、『果敢なき、君』の続編っぽいです。
なんとなく、神楽もちょっと出したかったってのが、本音かも。
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