日々、散文。好きなもの三昧。ナルトとか野球(巨/人・ワク)とかサッカー(俊/輔)とか(本誌ネタバレあり。ご注意ください)
Posted by りい。 - 2008.03.18,Tue
サイトに置いてある『人魚』という土方沖田&高杉なお話しの続編ちっくなもんを書いてたみたいです。残念ながら続きませんが~(苦笑)つか、何が書きたかったんだろうなぁ…(今更)
「狙うは、沖田。只、壱つ」
彼の人はいつもの如くな笑みを浮かべた侭だった。
予定通り。
ふと、溢した言葉はそれだけ。暫くは戦場を見る、と視線を下へと向けた、まま。
潜んだ場は戦場が見下ろせる、場所。
会合という名の顔見せのような、其れに参じたのには理由がある。少数でいいと言った。此の場が其れを確かにする場だと、片目の眼光が鋭く光った。理由は其処、だ。少数を選ぶ手段を見たかったからだ。
集まった場所は、狭い場所。
其処に大の大人が幾多も集う。心底、忠誠を誓うと言い集った、武士たち。
「おい」
と、名ではなく顎で呼ばれる。隣りにいた女も呼ばれる。
「お前たちは俺について来い」
「何処に行かれるんっすか?」
「そんなん行きゃわかる」
狭い部屋から、更に狭い廊下に出る。迷う素振りもなく真っ直ぐに進む。階段。其処から続く、空に近しい場所へと辿り着いた途端、目を疑った。
「な?」
黒に囲まれている、事実。
「どういうことっすか!」
「見ての通りだ。人を選ぶ。それだけのことだ」
簡単に言い退ける男は、何処までも子供のような野望をもつ、男。
「ああ、そういうことですか」
やっと言葉を発した私には、遅い、と怒鳴る。其れでも何処か楽しそうに笑っている。
今、まさに。自分を慕い集ったものたちが窮地に立たされようとしているというのに。
真下から声が聞こえる。御用改め、という声。続いたのは、大きな声。一斉に踏み込み。奴らも迷うことなく、先程まで私たちが居た部屋へと向かう。
情報は流されていた。
今居るのは斬り込みが直に見下ろせる、高い場所。
言葉通りの高みの見物。
斬り捨てられる、武士たち。幕府お抱えの警察部隊に慌て途惑うだけで、立ち向かう姿は少ない。
気付けば、後ろに数人の男が居た。
「おい、あいつとあいつ。それとあそこのやつはつれてこい。あとは捨て置いていい」
あっさりと下される、判断力には実際圧倒された。
後ろの男たちは其処で姿を消す。
「・・・長居は無用だな。そろそろ引くか」
呆気にとられたままの私と、貴島マタ子と名乗った早撃ちで有名な女はただただ其の背を見ているだけだった。
全ては予定通り。
光る、片目。目の威力。じっと見つめていればそれだけで呑み込まれそうな程の、強い強い。
「お前たちには期待している。裏切るな」
言い放つ、言霊。逆らえるはずもない。
心酔するかのように、彼の人を見つめた。背を見つめた。
そこで不意に、気付く。
長居は無用と言ったのに、動く気配が無くなった。そして、今まで以上に、視線が留まっている。一箇所に。
「・・・なにかありましたか?」
「あ?」
「ああ、沖田総悟ですね」
視線の先には、真っ黒な服に身を包む、異質な髪の色を持ち、最強の名を持った少年の姿。
「沖田?」
「そうですよ、ご存知ないですか?」
「興味ないからな」
「それではよく見ておかれるといい。これから我らが倒さなければならない筆頭は、奴らなのですから」
「沖田」
「総悟です。一番隊の隊長。真選組随一の使い手と誉れ高き、少年です」
「すげぇな。容赦ねぇ」
「綺麗な剣筋ですね。私も実際目の当たりにしたのは、初めてですがこれほどとは」
「情け容赦ねぇ。殺すということに躊躇いがねぇ。見てみろ、あいつの剣で倒れたやつは自分が斬られたことすら気付かない侭で息絶える」
「末恐ろしい少年です」
「面白いな」
「え?」
「あれを意のままに扱えたら、面白いだろうな」
「ご所望とあれば、仰せのままに」
「そのうちな。今は陣地の確立からだ」
其のときは其れだけで終わった。
が、暫しのときを経て、間近で見たいと彼が言ったから実行に移した。
仕組んだのは、簡単な罠。其れでも見事なまでに引っ掛かった奴らはお人よしなのかもしれないし、ただの阿呆なのかもしれない。ここまであっさりだと返って不安になるものだ。もしかしてやつらは我らが計画を知った上で、わざと誘い出す為に芝居をうっているのかもしれない。
「余計なこと考えるな。取り合えず、掴まえたからいいだろ」
簡単に言って退けるが、此の人の言葉は絶対だ。
捕らえたのは、面白いといった少年。
名を沖田総悟という。動きが鈍いと思ったら、案の定熱があるらしい。判断力も其れが原因で鈍ったのだろう。呆気なく、手の中に落ちた少年。
しかしながら、我らが計画は破綻した。
やはり、というか。認めざるしかない結果に終わる。
多分、土方十四郎。
さすがは、頭脳と呼ばれる男だ。
高杉さんは、失敗したにも関わらず、なんてことない顔をしている。
それすらも予想内だったのだろう。
其れから、結構な時間を共にした。
でも彼がほしい、といったのはあの少年だけだった。
壊したい、と何度も何度も繰り返し言っていたが、ほしいと望んだのは、あの日、掴まえたはずだった、少年。
だから、練る。計画を練る。
少年を意のままに操れるよう。
「狙うは、沖田。只、壱つ」
+------------------------------------------------------+
人魚な続編風味。
ふと浮かんだので、書いてみたはいいがまた書きたいとこまでいってくんなかった(泣)
残念無念まったらいしゅーみたいな(笑)
彼の人はいつもの如くな笑みを浮かべた侭だった。
予定通り。
ふと、溢した言葉はそれだけ。暫くは戦場を見る、と視線を下へと向けた、まま。
潜んだ場は戦場が見下ろせる、場所。
会合という名の顔見せのような、其れに参じたのには理由がある。少数でいいと言った。此の場が其れを確かにする場だと、片目の眼光が鋭く光った。理由は其処、だ。少数を選ぶ手段を見たかったからだ。
集まった場所は、狭い場所。
其処に大の大人が幾多も集う。心底、忠誠を誓うと言い集った、武士たち。
「おい」
と、名ではなく顎で呼ばれる。隣りにいた女も呼ばれる。
「お前たちは俺について来い」
「何処に行かれるんっすか?」
「そんなん行きゃわかる」
狭い部屋から、更に狭い廊下に出る。迷う素振りもなく真っ直ぐに進む。階段。其処から続く、空に近しい場所へと辿り着いた途端、目を疑った。
「な?」
黒に囲まれている、事実。
「どういうことっすか!」
「見ての通りだ。人を選ぶ。それだけのことだ」
簡単に言い退ける男は、何処までも子供のような野望をもつ、男。
「ああ、そういうことですか」
やっと言葉を発した私には、遅い、と怒鳴る。其れでも何処か楽しそうに笑っている。
今、まさに。自分を慕い集ったものたちが窮地に立たされようとしているというのに。
真下から声が聞こえる。御用改め、という声。続いたのは、大きな声。一斉に踏み込み。奴らも迷うことなく、先程まで私たちが居た部屋へと向かう。
情報は流されていた。
今居るのは斬り込みが直に見下ろせる、高い場所。
言葉通りの高みの見物。
斬り捨てられる、武士たち。幕府お抱えの警察部隊に慌て途惑うだけで、立ち向かう姿は少ない。
気付けば、後ろに数人の男が居た。
「おい、あいつとあいつ。それとあそこのやつはつれてこい。あとは捨て置いていい」
あっさりと下される、判断力には実際圧倒された。
後ろの男たちは其処で姿を消す。
「・・・長居は無用だな。そろそろ引くか」
呆気にとられたままの私と、貴島マタ子と名乗った早撃ちで有名な女はただただ其の背を見ているだけだった。
全ては予定通り。
光る、片目。目の威力。じっと見つめていればそれだけで呑み込まれそうな程の、強い強い。
「お前たちには期待している。裏切るな」
言い放つ、言霊。逆らえるはずもない。
心酔するかのように、彼の人を見つめた。背を見つめた。
そこで不意に、気付く。
長居は無用と言ったのに、動く気配が無くなった。そして、今まで以上に、視線が留まっている。一箇所に。
「・・・なにかありましたか?」
「あ?」
「ああ、沖田総悟ですね」
視線の先には、真っ黒な服に身を包む、異質な髪の色を持ち、最強の名を持った少年の姿。
「沖田?」
「そうですよ、ご存知ないですか?」
「興味ないからな」
「それではよく見ておかれるといい。これから我らが倒さなければならない筆頭は、奴らなのですから」
「沖田」
「総悟です。一番隊の隊長。真選組随一の使い手と誉れ高き、少年です」
「すげぇな。容赦ねぇ」
「綺麗な剣筋ですね。私も実際目の当たりにしたのは、初めてですがこれほどとは」
「情け容赦ねぇ。殺すということに躊躇いがねぇ。見てみろ、あいつの剣で倒れたやつは自分が斬られたことすら気付かない侭で息絶える」
「末恐ろしい少年です」
「面白いな」
「え?」
「あれを意のままに扱えたら、面白いだろうな」
「ご所望とあれば、仰せのままに」
「そのうちな。今は陣地の確立からだ」
其のときは其れだけで終わった。
が、暫しのときを経て、間近で見たいと彼が言ったから実行に移した。
仕組んだのは、簡単な罠。其れでも見事なまでに引っ掛かった奴らはお人よしなのかもしれないし、ただの阿呆なのかもしれない。ここまであっさりだと返って不安になるものだ。もしかしてやつらは我らが計画を知った上で、わざと誘い出す為に芝居をうっているのかもしれない。
「余計なこと考えるな。取り合えず、掴まえたからいいだろ」
簡単に言って退けるが、此の人の言葉は絶対だ。
捕らえたのは、面白いといった少年。
名を沖田総悟という。動きが鈍いと思ったら、案の定熱があるらしい。判断力も其れが原因で鈍ったのだろう。呆気なく、手の中に落ちた少年。
しかしながら、我らが計画は破綻した。
やはり、というか。認めざるしかない結果に終わる。
多分、土方十四郎。
さすがは、頭脳と呼ばれる男だ。
高杉さんは、失敗したにも関わらず、なんてことない顔をしている。
それすらも予想内だったのだろう。
其れから、結構な時間を共にした。
でも彼がほしい、といったのはあの少年だけだった。
壊したい、と何度も何度も繰り返し言っていたが、ほしいと望んだのは、あの日、掴まえたはずだった、少年。
だから、練る。計画を練る。
少年を意のままに操れるよう。
「狙うは、沖田。只、壱つ」
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人魚な続編風味。
ふと浮かんだので、書いてみたはいいがまた書きたいとこまでいってくんなかった(泣)
残念無念まったらいしゅーみたいな(笑)
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